「アメリカズカップの迫力

アメリカズカップ海上練習会見学会に参加した。いくら無料とは言え,500名もの見学者が集まったのは驚きである。ヨットは,まだまだ日本ではマイナーなスポーツである。もちろんおじさんが多かったが

子どもを連れたニューファミリーが目立った。3度目のアメリカズカップ挑戦で,少しは市民権を得てきたのだろう。


三河湾をセーリングしている地の利のおかげで10年前のアメリカズカップ第1回の挑戦のころから練習風景は,よく目にしている。時には無謀にも,挑戦艇の前を横切り難波キャプテンに,にらまれたこともあった。

でも,それ程しても一瞬のことで,クルーの動き,様子までは到底みえない。挑戦艇はとにかく桁違に早くて,向こうから近付いて来ない限り我々のヨットでは満足にみることができなからだ。


今回は観覧艇での見学でスピードもあり近くでアメリカズカップの勇姿が間近に見られそうで,期待して出かける。さて,見学会当日は天候は晴れていたが,

風速は20ノットとアメリカズカップ艇限界のものだ。普段なら出港を取りやめるところだろうが見学会ということで,500名もの見学者がいるのでサービスをして

くれたのであろう。当然練習海域は白波だっている。それでも,1マイル程の距離をおいて上マークと下マークのブイ

が設置され模擬練習が始まった。


超大型なヨットが30度以上ヒールしてクローズホールドで上マークに向かう


スピンが破れた瞬間

スピンが二つに裂ける

水面に落ちるスピン
上マークを回って強風の中,果敢にもスピンネーカーを揚げられる。

白いスピンが揚がった瞬間,バーンと大きな音とともに巨大なスピンが
破れた。

 アメリカズカップ艇はこのような強風は想定していないのだろう。それ

でもスピンなしで観覧艇よりも先に行ってしまう速さである。

何とバウマンらしきクルーが,破れたスピンの処理か荒れる海上で30Mのあるマストトップで作業をしている

 。この作業のためジャイブもタックもできずランニングのまま風下にどんどん流されて行く。もし30分も作業に要すれば,三河湾が終わってしまいそうである。アメリカズカップには三河湾(正確には渥美湾)

は狭過ぎるようだ。それでも処理を無事終え,再び上マークに向かってくる。先程よりさらに風速が上がっているようだ。


真っ赤なスピンが揚がったが..

めったに見られないシーン
を2度も見せてもらった

引きずられるスピン
この風では,もうスピンは揚げないないだろうと思っていたが,予想に反して強風の
中,今度は赤いスピ
ンが揚げられた。

今度はきれいに開いた。絵になるシーンである。しかしそのスピンも1分とは持た

ず,再び大きな音とと
もに破裂した。(いくら練習用のスピンといってもいくらする

のだろうと心配になって
きた。30フィートのヨットでも20万円するのに・・・・100万

いや,300万円以上か想像もつ
かん)

このスピン事件(?)で見学者のの期待を答えられなかったと思われたのか,この

あと,挑戦艇から観覧艇に近づいて来て,
目の前で何度のタックをしてサービスし

てくれた。

観覧艇にぶつかると思う瞬間にタックし,クルーの動きもピータギルモアの表情もはっきり見える。

ブームが返る音,シートのきしむ音,ウィンチの音が入り交じってタック時には,すごい音がする。特にブームの返るバッシーという音はセールが破れるのではないかと思える程の迫力である。

アメリカズカップ特有の2艇によるマッチレースの練習は見られなかったものの,強風のおかげでアメリカズカップ艇をこんなに近くで見ることができ,十分堪能できた。
  練習を終えて基地に戻ってからも,挑戦艇の艤装や内部の様子をクル
ーが説明するサービスだ。
ブロック,ウィンチ,スピンポールどれも巨大でかつ,軽い。ステアリング
ホールなどは,片手でひょいと持てる軽さである。(影の声・・・これで100
万円もするんだって・・・)
 さらに驚いたのが,セールの多さである。細長く円筒状にまいてセール
が7〜8本(メイン,ジブ?),バックに入ってセール(スピン?)が同じく
7〜8本もある。これだけあっては,セールの重さが重要にさるわけだ。
(こんなにあるなら破れたセールでいいからくれないかな。ケプラーの
セールがうらやましく,見栄で茶色に染めようかと思うほどなのに!!。)


丁寧に説明してくれたクルー
どなたか名前がわかりますか

セールを運んでいるクルー、 デッキいっぱ
いのセール群

アメリカズカップに協力の気持ちを込めて,セール地で作ったバックを買い求 めた。 蒲郡の一市民として,ヨットのファンとして,2000年のニュージランドでのレースを心から応援したい。

上記の写真、クリックして、迫力ある大きな絵で見てください。

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